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Yes Second Life

セカンドライフに早9年、現役セカンドライファーの考えてること

PathFindingで、自分についてくるオブジェクトをつくる

これは、セカンドライフ技術系アドベントカレンダー向けの記事です。

自分についてくるオブジェクトは、今までも力技でつくれたんですが、最近追加されたPathFindingを使うと、とても簡単に実装できます。


Secondlife Pathfinding機能 - llPursue - YouTube

PathFindingは、直訳すると経路探索ですが、色んな動きができるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)を作れる機能になっています。自分についてくる他にも、何かから逃げる動きをさせたり、特定の場所を徘徊させたりもできます。

何かについてくるようにしたい場合は、次のようにすればできます。

default
{
    state_entry()
    {
        // オブジェクトをPathfindingのキャラクターに設定
        // 実際には引数には色んなパラメータが渡せます
        llCreateCharacter([]);
    }
 
    touch_start(integer total_number)
    {
        // タッチした人の2m後ろを追跡する
        llPursue(llDetectedKey(0), [PURSUIT_OFFSET, <-2.0, 0.0, 0.0>]);
    }
}

たったこれだけ、llCreateCharacter関数で、Pathfindingのキャラクターとして設定し、llPursue関数で追跡させるように命令すればOKです。llPursue関数にもリストでいくつかの引数が渡せます。

オプション 説明 デフォルト値
PURSUIT_OFFSET 追跡対象からの距離 ZERO_VECTOR
REQUIRE_LINE_OF_SIGHT 動作するのに物理的に到達可能である必要があるか FALSE
PURSUIT_FUZZ_FACTOR PURSUIT_OFFSETからランダムで位置をずらす、0.0~1.0で指定 0.0
PURSUIT_INTERCEPT ターゲットの未来の位置を予測して動くか FALSE
PURSUIT_GOAL_TOLERANCE 実際のゴールからどれくらい離れてるのを許容するか 追跡者の大きさに比例

とても簡単に高度な動きが実装できるので、試してみると面白いとおもいますよ( ̄∇  ̄ )

セカンドライフの魅力

これはセカンドライフ非技術系アドベントカレンダー向けの記事です。

セカンドライフ非技術系 Advent Calendar 2014 - Adventar
ぼくにとっての、セカンドライフの魅力を語ります。

ルールがないこと

ふつうのMMOだと、クエストが用意されていたり、スキルシステムがあったりして、決められた手順を追ってゲームを進めます。しかし、セカンドライフには決められたことがなにもないので、自分でなにかを創りださないとなにも始まりません。それが逆に、なにか作れる人にとっては魅力になります。

まだ何もない世界で、自分が培ってきた技術力をつかって、何かを生み出していく、それがこの世界そのものを拡張していく、そういうエキサイティングな面白さがあります。

ルールを作り出せること

しかし、ルールがないと遊べないという人がいることも事実。というかそういう人のほうが多数派です。だったら何か自分たちでルールを作り出せばいい。セカンドライフには、ユーザ自身がルールを作っていけるほどの自由があります。
QuestMeister
これは、ぼくが作ったクエストマイスターというサイトです。このサイトで情報を入力して、セカンドライフ上でオブジェクトを配置すれば、誰でもクエストを作ることができます。自由すぎて何をしていいかわからない世界に、一定のルールを作りだせました。セカンドライフAPI、LSL言語がそれを可能にします。

仮想世界は今でこそ自由ですが、やがては色んなサービスがこうした枠組みを作っていき、最終的には手順を追って物事を進めていけるような世界になっていくとおもいます。まさになにもなかったWebで、掲示板、ブログ、動画サイトなんかが、フォーマットを与えていったように。

まだそうなっていない今、こうした枠組みをあーだこーだ考えて実装していくことが、高度な知的ゲームのようで自分には魅力的なのです。

子プリムに名前でアクセスする

2014年、セカンドライフ技術系アドベントカレンダーの1発めの記事です。

セカンドライフのオブジェクトは、いくつかのプリムをリンクさせて作成するわけですが、リンクされた子プリムには基本的に数値インデックスでしかアクセスできません。

llMessageLinked(2, 0, llGetScriptName(), "");    // 第1引数の「2」がインデックス

llSetLinkPrimitiveParams(3, [PRIM_FULLBRIGHT, ALL_SIDES, FALSE]);    // 第1引数の「3」がインデックス

しかし、子プリムの番号はリンクをやり直したりすると変わってしまいます。これではそのたびに、スクリプトの数値インデックスの変更が必要で不便。できれば子プリムの名前を指定してアクセスしたいところです。そこで、最初に名前とインデックスの索引をつくってしまう方法が楽です。

list linkPrims;    // 索引格納用リスト


// 索引を作成
createIndex()
{
    integer i;
    linkPrims = ["root"];    // インデックス0はルートプリムを表す
    for(i=1; i<=llGetNumberOfPrims(); i++)
    {
        // インデックス順に子プリムの名前をlinkPrimsへ格納
        string linkPrim = llGetLinkName(i);
        linkPrims += [linkPrim];
    }
}

// 名前をインデックスに変換
integer getIndex(string name)
{
    return llListFindList(linkPrims, [name]);   
}


default
{
    state_entry()
    {
        createIndex();
    }

    touch_start(integer num)
    {
    // 子プリムに名前でアクセス
        llSetLinkColor(getIndex("ResetButton"), <1.0, 0.0, 0.0>, ALL_SIDES);
    }

    // リンク変更時にリセット(いちごさんの指摘で追加)
    changed(integer change)
    { 
        if(change & CHANGED_LINK)
        {
            llResetScript(); 
        }
    }
}

この方法だと、機能追加でHUDにボタンを追加したりしても、子プリムの名前を変えないかぎりスクリプトのインデックスは変更不要でメンテも楽ですね( ̄∇  ̄ )

FacebookのOculus買収と、仮想世界への本気度

FacebookがOculusを買収して、けっこうなニュースになってるけど、「Facebookが資金をもてあまして流行りものに手を出したんじゃ」みたいな批判を目にしたので、FacebookのVRへの本気度について知ってる範囲で書いておきます。

2007年からのセカンドライファーならおそらく誰でも知っているCory Ondrjkaさんという開発者がいます。セカンドライフスクリプト言語、LSLなどを開発した方で、VR開発者の中でも非常にカリスマ性がある人です。Coryさんは、VRバブルにのって拡大するリンデンラボと反りが合わず、CEOのフィリップと口論してやめることになったのですが、2010年からFacebookで働いています。

そして、Facebookアプリでもある独自の仮想世界CloudPartyを、2012年6月に立ち上げました。OculusRiftの発表も2012年の6月でしたが、当然CloudPartyの開発自体はそれ以前から始められていたはずで、つまりFacebookはOculusがでてくる前から、VR技術には注目していたことになります。

なので、資金を持て余したとか、流行りモノだからという理由じゃなくて、いま自分たちの取り組んでいるVRに必要だと感じて、Oculusを買収したというのが自然な流れだとおもいます。

Facebookの本気度については、こういう理由で自分は疑ってないんですが、批判はもうひとつあります。いままでユーザが育ててきてオープンだったOculusが、Facebookによって不自由なものにされてしまうんじゃないかというものです。

こちらに関しては、正直よく分かりません。ぼく自身Facebookのクローズさがイヤで、アカウントだけ作ってあるものの全く使ってない状態です。ただ、FacebookのVR戦略にまず関わってるであろうCoryさんの性格上、あまりクローズにはならないのではないかと自分は楽観視しています。Coryさんはセカンドライフでユーザが作ったものがリンデンラボでなくユーザ自身に著作権が属するように積極的に働きかけました。そういったオープンな姿勢をみているので、変な囲い込みをするのが自分にはなかなか想像できません。

まとめると、FacebookのVRへの取り組みは本気であり、目的意識なくOculusを買収したわけではない。Facebookに買収されてクローズなかんじになるかは分からないが自分は楽観視しているというかんじです。

アニメーションオーバーライドできる新関数

セカンドライフアバターのデフォルトの歩いたり座ったりするアニメーションは、今までは基本的に上書きするのにハックが必要でした。タイマーをコンマ数秒単位で回して、アバターの状態を監視する方法です。しかしこれはシムへの負荷がかなり掛かるものでした。

そこで最近、負荷を抑えつつアニメーションを上書きできる新関数が追加されました。

llSetAnimationOverride

llSetAnimationOverride( string anim_state, string anim )

llSetAnimationOverrideは、アニメーションを上書きします。第1引数は「上書きする状態」、第2引数は上書きするアニメーションの名前です。例えば、歩く動作をしているとき座るアニメーションを再生したい場合は、次のようにします。

default
{
    touch_start(integer num)
    {
        // パーミッションを取得
        llRequestPermissions(llDetectedKey(0), PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS);
    }
    
    run_time_permissions(integer perm)
    {
        if(perm & PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS)
        {
            // 歩く動作のとき、座るアニメーションをさせる
            llSetAnimationOverride("Walking", "sit");
        }
    } 
}

上書きできる状態は、これだけあります。

  • Crouching
  • CrouchWalking
  • Falling Down
  • Flying
  • FlyingSlow
  • Hovering
  • Hovering Down
  • Hovering Up
  • Jumping
  • Landing
  • PreJumping
  • Running
  • Sitting
  • Sitting on Ground
  • Standing
  • Standing Up
  • Striding
  • Soft Landing
  • Taking Off
  • Turning Left
  • Turning Right
  • Walking

アニメーションは、基本的にはプリムに格納しておいて、その名前を第2引数で指定するのですが、組み込みアニメーションであれば、プリムになくても使用できます。上記のサンプルも組み込みアニメーションを使いました。

llGetAnimationOverride

llGetAnimationOverride( string anim_state )

llGetAnimationOverrideは、いま再生しているアニメーションの名前を取得できます。引数には、アニメーションの名前を取得したい状態を指定します。歩いているときは、普段は「walk」というアニメーションが再生されていますが、さっきのllSetAnimationOverrideのサンプルを実行したあとで以下のスクリプトを動かすと、「sit」と表示されます。

default
{
    touch_start(integer num)
    {
        // パーミッションを取得
        llRequestPermissions(llDetectedKey(0), PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS);
    }
    
    run_time_permissions(integer perm)
    {
        if(perm & PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS)
        {
            // 歩いているときに再生されているアニメーションの名前を取得
            llOwnerSay(llGetAnimationOverride("Walking"));
        }
    }
}

llResetAnimationOverride

llResetAnimationOverride( string anim_state )

現在指定されているアニメーションを、デフォルトのものにリセットします。引数にはアニメーションをリセットしたい状態を指定します。llSetAnimationOverrideのサンプルを実行したあとで、次のスクリプトを動かすと、歩くときのアニメーションが「walk」にもどります。

default
{
    touch_start(integer num)
    {
        // パーミッションを取得
        llRequestPermissions(llDetectedKey(0), PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS);
    }
    
    run_time_permissions(integer perm)
    {
        if(perm & PERMISSION_OVERRIDE_ANIMATIONS)
        {
            // 歩いているときに再生されているアニメーションをデフォルトにもどす
            llResetAnimationOverride("Walking");
        }
    }
}

なお、llResetAnimationOverrideだけ引数に「ALL」が指定でき、すべてのアニメーションをリセットすることができます。

自分で何かつくるときはもちろん、既存のアニメーションオーバーライドツールを使う時も、できれば新しい関数を使って負荷をへらしているかチェックしてみるといいかもしれませんね( ̄∇  ̄ )

透視投影変換を使ってロックオンできるHUDをつくる

ロックオンできるHUDといっても、よくわからないと思うので、まずは動画をみてください。

赤い箱は土地にRezされたオブジェクトで、青い四角はHUDです。赤い箱にタッチすると箱が自分の現在の位置をシャウトするようになってて、それをHUD側がListenして箱が表示されている座標へ移動するようになってます。3Dシューティングなんかで敵の位置へカーソルが移動してロックオン状態になったりしますが、まさにそんな感じのものをつくりました。

使用している技術は透視投影変換で、これは3D上の世界を2次元の画面へマッピングするための手法です。ただ、これを説明するのは、ものすごく大変というか自分も完全には理解してないので、とりあえず赤い箱の位置を渡せばHUDをロックオンする位置に移動させる関数をいきなりお見せします。

// 引数にターゲットオブジェクトの位置を渡すと、そこにHUDをロックオンさせます
lockOn(vector pos)
{
    // Field of View レンズの画角を算出(SLのデフォルトの視野角は60度)
    float fov = 1.0 / llTan(60.0 * 0.5 * PI / 180.0);
    
    // カメラの情報を取得(要パーミッション)
    vector cameraPos = llGetCameraPos();
    rotation cameraRot = llGetCameraRot();
    
    // カメラとオブジェクトの距離を算出
    float dist = llVecDist(pos, cameraPos);
    
    // カメラとオブジェクト間をベクトルで表現
    vector objVec = pos - cameraPos;
    
    // カメラの回転を、X、Y、Zの各ベクトル表現に分解
    vector xVec = <1.0, 0.0, 0.0> * cameraRot;
    vector yVec = <0.0, 1.0, 0.0> * cameraRot;
    vector zVec = <0.0, 0.0, 1.0> * cameraRot;
    
    // オブジェクトへのベクトルとカメラの向いてる方向との角度差を得る
    rotation xRot = llRotBetween(objVec, xVec);
    rotation yRot = llRotBetween(objVec, yVec);
    rotation zRot = llRotBetween(objVec, zVec);
    
    // オブジェクトへの距離をカメラを軸としたX、Y、Z方向の距離に分解
    float xDist = dist * llCos(llRot2Angle(xRot));
    float yDist = dist * llCos(llRot2Angle(yRot));
    float zDist = dist * llCos(llRot2Angle(zRot));
    
    // 距離と視野角から、HUDの位置を算出する
    float posY = yDist / xDist * fov / 2.0;
    float posZ = zDist / xDist * fov / 2.0;
    vector pos = <0.0, posY, posZ>;
    
    // HUDを移動させる
    llSetPrimitiveParams([PRIM_POSITION, pos]);
}

ゲームプログラミングとかしてる人じゃないと分かりませんよね。3Dの世界を2次元にマッピングする場合、遠くにあるものほど真ん中へ寄せて表示しないとそれらしくならないので、そういう処理をしてると思ってください。

f:id:sabro:20131214012302p:plain
図にするとこんな感じかな。

この技術はカソウセカイカメラでも使われています。まあちょっとしたバグがあって、コメントは正確な位置から少しズレるんですが・・・。コメントを空間に表示するとき位置をどう決めればいいのかわからなくて、試行錯誤しててこの方法にたどりついた感じです。

応用範囲は広くて、3Dシューティングゲームを作ったりできますし、なにかモノを指し示すガイドとしても使えるとおもいます。特に後者は、情報が整理されておらずカオスな仮想世界で何か探してもらうときに、かなり役に立つんじゃないでしょうか。

最後に実際に動作確認したスクリプトを載せておきます( ̄∇  ̄ )

赤い箱のスクリプト

// チャット用のチャンネル(適当)
integer CHANNEL = -84527;

default
{
    touch_start(integer total_number)
    {
        // 今の位置をシャウト
        llShout(CHANNEL, (string)llGetPos());
    }
}

青い四角のスクリプト

// Secondlifeのデフォルトの視野角
float ANGLE = 60.0;

// チャット用のチャンネル(適当)
integer CHANNEL = -84527;

// 引数にターゲットオブジェクトの位置を渡すと、そこにHUDをロックオンさせます
lockOn(vector pos)
{
    // Field of View レンズの画角を算出
    float fov = 1.0 / llTan(ANGLE * 0.5 * PI / 180.0);
    
    // カメラの情報を取得
    vector cameraPos = llGetCameraPos();
    rotation cameraRot = llGetCameraRot();
    
    // カメラのとオブジェクトの距離を算出
    float dist = llVecDist(pos, cameraPos);
    
    // カメラとオブジェクト間をベクトルで表現
    vector objVec = pos - cameraPos;
    
    // カメラの回転を、X、Y、Zの各ベクトル表現に分解
    vector xVec = <1.0, 0.0, 0.0> * cameraRot;
    vector yVec = <0.0, 1.0, 0.0> * cameraRot;
    vector zVec = <0.0, 0.0, 1.0> * cameraRot;
    
    // オブジェクトへのベクトルとカメラの向いてる方向との角度差を得る
    rotation xRot = llRotBetween(objVec, xVec);
    rotation yRot = llRotBetween(objVec, yVec);
    rotation zRot = llRotBetween(objVec, zVec);
    
    // オブジェクトへの距離をカメラを軸としたX、Y、Z方向の距離に分解
    float xDist = dist * llCos(llRot2Angle(xRot));
    float yDist = dist * llCos(llRot2Angle(yRot));
    float zDist = dist * llCos(llRot2Angle(zRot));
    
    // 距離と視野角から、HUDの位置を算出する
    float posY = yDist / xDist * fov / 2.0;
    float posZ = zDist / xDist * fov / 2.0;
    vector pos = <0.0, posY, posZ>;
    
    // HUDを移動させる
    llSetPrimitiveParams([PRIM_POSITION, pos]);
}


default
{
    state_entry()
    {
        // ターゲットオブジェクトの発信する位置情報をListen
        llListen(CHANNEL, "", NULL_KEY, "");
        
        // HUDとしてアタッチされてる場合のみ、カメラのパーミッションを取得
        if(llGetAttached() >= ATTACH_HUD_CENTER_2 && llGetAttached() <= ATTACH_HUD_BOTTOM_RIGHT) 
        {
            llRequestPermissions(llGetOwner(), PERMISSION_TRACK_CAMERA);
        }
    }
    
    on_rez(integer start_param) 
    {
        llResetScript();
    }
    
    listen(integer channel, string name, key id, string message)
    {
        // サンプルなのでチェックはなしです

        // Lock on 
        lockOn((vector)message);
    }
    
    run_time_permissions(integer perm) {
        if(perm & PERMISSION_TRACK_CAMERA) {
            // do nothing
        }
    }
    
}

LSLスクリプトでJSONを扱う(一括変換編)

この記事は、セカンドライフ 技術系 Advent Calendar 2013向けに書かれた記事です。今回は、JSONとリストを一括変換するLSL関数を紹介します。

llJson2List

list llJson2List(string src)

JSON文字列を、LSLのリスト変数に変換します。引数に対象のJSONを指定し、返り値が変換したリストになります。

// リストの表示をわかりやすくするため、文字列への変換関数を用意しておきます
string dump(list l)
{
    return "[ " + llDumpList2String(l, ",") + " ]";
}


// JSONオブジェクトを変換してみます
list value1 = llJson2List("{ \"a\" : 1, \"b\" : true }");

// [ a,1,b,﷖ ]と表示されます。strided list(ひとつ飛ばしのリスト)になります
// リストの最後の項は、JSON_TRUEです
llOwnerSay(dump(value1));

// JSON配列を変換してみます
list value2 = llJson2List("[ 1, \"two\", \"3\" ]");

// [ 1,two,3 ]と表示されます。普通にリストに変換されます
// ちなみにリストの要素は全て文字列型になります
llOwnerSay(dump(value2));

// 単一の値を変換してみます
list value3 = llJson2List("1");

// [ 1 ]と表示されます。ひとつだけ要素を含んだリストになります
llOwnerSay(dump(value3));

// keyをnullにした不正なJSONを変換してみます
list value4 = llJson2List("{ \"a\" : 1, null : true }");

// [ ﷐ ]と表示されます。JSON_INVALIDだけ含んだリストです
llOwnerSay(dump(value4));

JSONオブジェクトは、strided list(ひとつ飛ばしのリスト)に変換されます。LSLにはstrided listを扱える関数がいくつかあるので活用できそうです。また、JSONをリストに変換した時、リストの要素は全て文字列型になります。これは例えば数値をfloatに勝手に変換して桁落ちしたりしないような配慮だとおもいます。

不正なJSONが入力された場合は、JSON_INVALIDのみ含んだリストが返されるので、入力値のJSONが信頼できない場合は、条件分岐でJSON_INVALIDと比較するのが良さそうです。

if(llList2String(value4, 0) != JSON_INVALID)
{
    // 本来の処理
    // ...
}

では、ネストしたJSONは正しく変換できるのでしょうか。

string json = "
{
    \"a\" : 1,
    \"b\" : [ 1, \"two\", \"3\" ],
    \"c\" : { \"d\" : 2, \"e\" : false }
}";

// ネストしたJSONを変換してみます
list value1 = llJson2List(json);

// [ a,1,b,[ 1, "two", "3" ],c,{ "d" : 2, "e" : false } ]と表示されます。
llOwnerSay(dump(value1));

JSONの内部にあるJSONは再帰的に変換されず、文字列としてリスト内に格納されます。なので、深いところにある値を取得するには、自力で何回か変換してやる必要があります。

// [ 1, \"two\", \"3\" ]の部分を取得し、変換します
list value2 = llJson2List(llList2String(value1, 3));

// [ 1,two,3 ]と表示されます。
llOwnerSay(dump(value2));

// { \"d\" : 2, \"e\" : false }の部分を取得し、変換します
list value3 = llJson2List(llList2String(value1, 5));

// [ d,2,e,﷗ ]と表示されます。最後の項はJSON_FALSEです
llOwnerSay(dump(value3));

llList2Json

string llList2Json(string type, list values)

LSLのリストを、JSON文字列に変換します。引数の1つめはJSONの種類(JSON_OBJECTか、JSON_ARRAY)、2つめは変換するリストです。返り値は変換したJSON文字列になります。

// JSONオブジェクトに変換してみます
string value1 = llList2Json(JSON_OBJECT, ["a", 1, "b", JSON_TRUE]);

// {"a":1,"b":true}と表示されます。JSON_TRUEはtrueに変換されます
llOwnerSay(value1);

// JSON配列に変換してみます
string value2 = llList2Json(JSON_ARRAY, [1, "two", "3"]);

// [1,"two","3"]と表示されます。ListからJSONへの変換では数値と文字列は区別されます
llOwnerSay(value2);

ちなみに、keyに数値を指定するなど、おかしな操作をするとJSON_INVALIDが返ります

// Keyに1を指定
string value3 = llList2Json(JSON_OBJECT, [1, 2]);

// JSONのKeyは文字列でないといけません
if(value3 == JSON_INVALID)
{
    llOwnerSay("不正な操作です");
}

では、ネストしたJSONを作ってみましょう。

/*
こんなJsonを作ってみます
{
    "a" : 1,
    "b" : [ 1, "two", "3" ],
    "c" : { "d" : 2, "e" : false }
}
*/

// 内部のJSON(配列)を、先に作っておきます
string subjson1 = llList2Json(JSON_ARRAY, [1, "two", "3"]);

// 内部のJSON(オブジェクト)を、先に作っておきます
string subjson2 = llList2Json(JSON_OBJECT, ["d", 2, "e", JSON_FALSE]);

// 最後にそれらを合成します
string json = llList2Json(JSON_OBJECT, ["a", 1, "b", subjson1, "c", subjson2]);

// {"a":1,"b":[1,"two","3"],"c":{"d":2,"e":false}}と表示されます
llOwnerSay(json);

小さい部品から先に作っていけばいいわけですね。ちなみにこういう書き方もできます。

// 一気に組みあげます
string json = llList2Json(JSON_OBJECT,
    [
     "a", 1,
     "b", llList2Json(JSON_ARRAY, [1, "two", "3"]),
     "c", llList2Json(JSON_OBJECT, ["d", 2, "e", JSON_FALSE])
    ]
);

// {"a":1,"b":[1,"two","3"],"c":{"d":2,"e":false}}と表示されます
llOwnerSay(json);

以上で、一括変換の説明も終わりです。

2回に渡ってLSLでJSONを扱う方法を書いてきました。JSONを扱えるようになることで、Webサービスとの連携がやりやすくなるはずです。例えばTwitterJSONを返すAPIがありますね(OpenAuthの認証が必要ですが)。しかし一方でなんでもJSONオブジェクトにしちゃったりすると、Keyの分だけ少ないLSLメモリを消費してしまうという罠もあります。本番運用では、そのへんも見極めて最適なデータ形式を選択していけるといいんじゃないかなとおもいます( ̄∇  ̄ )